窃盗被疑事件
福岡区検察庁

事案の概要:万引き事件で2度の服役経験があり、クレプトマニア(窃盗症)兼特定不能の摂食障害と診断されている30代主婦が前刑の刑期満了から5年を経過しない令和4年1月及び2月に百貨店において、万引きを行い、同年4月にも窃盗事件を起こし、同年7月に検察官調べを受けた翌日に、ショッピングモール内で靴下2点を(税込み価格合計1980円)を万引きした合計4件の窃盗被疑事件です。

当事務所の林大悟弁護士が弁護人に就任しました。

当初、被疑者は地元の病院への通院や自助グループへの参加を希望し、実践していましたが、林弁護士が弁護人に就任し、弁護活動を継続中に検事調べ翌日に新たにショッピングモール内で靴下2点を万引きする事件を起こして検挙されたため、林弁護士の指導によって、被疑者は、専門病院への入院を決意しました。子らを夫や両親に託し、被疑者は数か月間の入院治療を行い、患者仲間との交流や主治医との面接を通じて、心の棚卸しができ、入院日誌を書き続けるなどして内省を深めていきました。退院後は、年に数回のショートステイ入院を予約しつつ、地元の病院に通院を再開し、自助グループに参加するなど再犯防止環境を整備しました。クレプトマニア(窃盗症)と各犯行との関係性について医師の意見書を提出し、被疑者が書いた入院日誌や示談書・被害弁償を証する書面を提出し、弁護人の終局処分に関する意見書を提出した結果、不起訴処分を獲得しました。

ご本人の更生意欲や治療意欲は旺盛であり、夫も協力的であり、不起訴処分とした検察官の期待に応えることができると信じています。本件の弁護を担当した林弁護士も自身が主催するオンラインミーティングを通じてご本人の回復を見守っていきたいと考えています。