下記の2点が違うと考えます。

①経済的な理由が原因ではないこと

単にお金が無くて盗みをしてしまうような人は、お金があれば盗みをしないでしょう。つまり、通常、窃盗というのは経済的な理由で発生するものなのです。万引きもその多くは単に「お金が無い」又は「お金を払いたくない」といった経済的な理由が主であると言えるでしょう。
これに対し、クレプトマニア(窃盗癖)の場合、盗む行為そのものが目的です。お金には何も不自由していないのです。ですから、クレプトマニアの中には裕福な方もかなりいます。

②止めたくても止められないこと

経済的な理由で盗みをする人は、止めようと思えば止められる可能性が高いと思います。特に経済的な理由が無くなれば止めるでしょう。
しかし、クレプトマニアの場合は、止めようと思っても止められません。したがって執行猶予判決直後に万引きをしてしまうなど、普通の人から見れば理解し難い行動をしてしまいます。本人は止めたいと思っているのですが、「盗みたい」という衝動を抑えられなくなっているのです。
刑務所に入れて反省させても、効果はありません。服役後すぐにまた万引きしてしまう人もいます。服役でストレスがたまり、むしろ盗むことへの欲求が高まってしまうのです。