当事務所の林大悟弁護士、明石順平弁護士が平成27年2月9日,東京高等裁判所において逆転再度の執行猶予判決を獲得致しましたのでご報告致します。

事案の概要:事件番号は,平成26年(う)1705号窃盗被告事件。平成27年2月9日東京高等裁判所第5刑事部判決。クレプトマニア,解離性障害,大鬱病性障害,脳機能障害に罹患している40代の女性が執行猶予中に販売価格合計2000円の品々を万引きした事案。

判決は,弁護人らが控訴審において提出した医師の意見書によって,被告人がクレプトマニアだけではなく,それ以外にも前述した精神障害に罹患していることが判明したことで,被告人に対する責任非難を相当程度減退させる事情があったと認定しました。そして,被害弁償がなされていることや,被告人が反省の態度を示し,治療意欲を見せていること,家族も被告人の病気を理解していることを考慮し,実刑判決とした原審を破棄し,再度の執行猶予判決を下しました。
被告人が罹患していた様々な精神障害の犯行に対する影響を適切に考慮した極めて優れた判決です。