以下場合を分けて説明します。

①既に被告人がクレプトマニアの診断を受けている場合

 この場合、主治医に意見書を作成してもらい、保釈請求書に添付します。示談が成立していれば示談書や嘆願書も添付します。

②被告人がクレプトマニアであるとの診断を受けていない場合

 この場合、被告人の家族を主治医に受診させ、家族から聴取した限りでクレプトマニアが疑われる旨の意見書を主治医に作成してもらい、保釈請求書に添付します。また、上記①と同様、示談が成立していれば示談書や嘆願書も添付します。

 原審で実刑判決を受けた事案で、林が控訴審から弁護を担当した事案がありました。その事案においては、裁判所に保釈請求をして認容してもらい、釈放後直ちに被告人は入院治療を開始しました。
 その結果、控訴審において、入院治療による更生に取り組んでいること等が原判決後の事情として考慮され、原判決破棄となり、逆転の執行猶予判決となりました。
 このように、クレプトマニアの事件においては、保釈の可否が明暗を分けることになります。