Q1-8で取り上げた大阪高裁昭和59年3月27日判決の第1審判決では、心神耗弱と認定されています。
 クレプトマニア(窃盗癖)の多くが心神耗弱に該当するという私法精神医学の専門家の意見もあります(『摂食障害患者の万引きの法的処分をめぐって-現状と問題点-』(高木州一郎、大森美湖、浜中禎子、御園生ゆり子・臨床精神医学37(11):1421-1427,2008)。
 実際に弁護している感覚としては、まだ心神耗弱と認定されるのは難しいと思います。ただ、心神耗弱とは認定されないけれども、クレプトマニア(窃盗癖)に罹患していることを考慮に入れて刑が軽くなる例はたくさんあります。