ここではまず、「クレプトマニアとは何か」について御説明します。

クレプトマニアを日本語に訳すと「窃盗癖」又は「窃盗症」になります。なお、国際疾病分類(ICD-10)では、「病的窃盗」と記載されています。これは「盗みを止めたくても止められない」という精神障害です。
この「盗み」の態様はほぼ全て万引きです。したがって「万引き依存症」と言っても良いでしょう。

クレプトマニアは、アメリカの精神疾患の診断基準であるDSM-5(2013年)において,「窃盗症」と記載されている精神疾患の1つです。DSM-5におけるクレプトマニアの診断基準は、次の5つです。

A 個人的に用いるのでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
B 窃盗におよぶ直前の緊張の高まり。
C 窃盗を犯すときの快感、満足、または解放感。
D 盗みは怒りまたは報復を表現するためのものでもなく、妄想または幻覚に反応したものでもない
E 盗みは、行為障害、躁病エピソード、または反社会性人格障害ではうまく説明されない。

ただし、ここで示されている基準は、1つの目安ではありますが、絶対のものではありませんので注意が必要です。クレプトマニアにあたるかどうかは、専門医の診断を仰ぎましょう。

クレプトマニアの典型的な特徴